リーガルパッドとiPad
こんにちは、大阪のギフショナリー・デルタの前田です。
大阪は今年は例年に比べ、だいぶと早咲きの桜で、気がつくと新緑の緑に変わっていたという今日この頃。みなさまいかがお過ごしでしょうか。
さて、新学期、新年度もはじまり、新入学や新社会人と「新しい」ことへの扉を開き、何か「新しい」ものをたくさん購入される時期かと思います。私は先日実に7年ぶりにiPadを購入しました。お店のお仕事でスタッフに使ってもらうパッドを購入したのですが、Apple Storeで触っていて思わず自分用にも購入してしまいました。その理由はApple Pencilを使えるからです。
文房具はアナログ感溢れる道具です。PC、スマートフォン、タブレットと言うとデジタルな製品で、今のご時世、もちろん共存共栄、TPOに合わせて活用させていただいていますが、これまでイマイチタブレットの世界に踏み込むことができませんでした。ところが、Apple Pencilの登場で、少しタブレットの利用用途も変わるのではないかと思いました。デジタルなのにアナログ感、それも今までとは少し違うような感じがしました。そしてふと思ったのです。iPadは何故iPadなのか?
みなさんはリーガルパッドという製品をご存知ですか?アメリカかぶれな私にとってリーガルパッドは思い出深い商品で、その昔、父がアメリカに研修旅行や仕入れ旅行の都度、リーガルパッドを持ち帰っていたのを思い出します。また、自身がアメリカに滞在していた頃、勉強に使うのはノート(メモ)は100%、リーガルパッドでした。黄色の用紙に横引きの罫線、左側にあるマージ線、何だかアメリカンな感じに酔いしれていたと思います。(笑)
欧米文具、そしてステーショナリー業界の第一人者である市浦 潤氏によると、バルチモアの裁判官の要望をアムパッド社が聞き入れて作られた、司法の方々のためのノート(メモ)がリーガルパッド(司法のためのノートパッド)の誕生であり、ユーザーのニーズから生まれた製品であることが伺えます。
A4サイズと少し大きさが違うこと、そして紙の色が黄色であることは他の書類と混じってもすぐに見つけられる特徴があったり、裏面にも表面とずれることなく横罫線がひいてあること(その理由は市浦氏のページで)など、少し特別感のあるノートであると思います。
20数年前にアメリカから帰ってくるときに、大量に買って帰ってきたリーガルパッドはほぼ使い切ってしまったことと、日本の優れた紙質のノートに勝るノートはないということから、この十数年リーガルパッドを使うことはなかったのですが、最近、銀座伊東屋さんのリーガルパッドを使うようになりました。何だか少し昔を思い出します。夢に向かって進んでいた頃、溢れんばかりの思いやアイデアが湧き出していた頃のことを。文房具が与えてくれる素晴らしい力だと思います。
そして、iPad。スティーブ・ジョブズはiNoteでもiTabletでもなくiPadと名付けた。Pad自身の意味を調べるとその中に「剥ぎ取り便箋」という意味が上がってきます。まさにリーガルパッド。スティーブ・ジョブズはリーガルパッドから生まれてくる様々な、溢れんばかりのアイデアやタスクを遂行していくための過程、さらにはそこにエンターティンメントを加えた新しい道具を生み出したという思いがあったのではないかと思います。スティーブ・ジョブズがリーガルパッドにそのアイデアを落とし込んでいる映像を想像すると何だかワクワクしますね。あくまで私の想像ですが。(笑)
私はどんな製品やアイデアも最初は、アナログで書く(描く)ことから生まれると思うと説いています。アナログとデジタルが融合していくこと。これからも双方が互いに必要とし、必要とされながら、文化を綴っていくと思います。
皆様に支えられ、大阪のキタの中心地、梅田・堂島で70余年。文房具とギフトをお探しなら、ギフショナリー・デルタ 堂島アバンザ店へお立ち寄りください。文房具は文化を綴る道具です。デルタは、皆様の生活とお仕事を豊かにし、世界の「文化を綴る」お手伝いをミッションに楽しいお店造りを目指します。