日本の伝統色に身を包んだ独アバンギャルドライトはこうして生まれた
こんにちは、長崎の石丸文行堂の石丸です。
まだ8月末だというのに、長崎はすっかり秋めいて、朝晩涼しく過ごしやすい季節になりました。
さて少し前の話になりますが、今年2月に発売となったオエステ会オリジナル「アバンギャルド ライト 日本の伝統色シリーズ」について、開発の舞台裏をちょっとだけ紹介してみたいと思います。
■日本の伝統色で作り上げたアバンギャルド ライト
このシリーズの特徴は、先進的なデザインが魅力のドイツ ステッドラー社の多機能ペンに、日本の伝統的な色を組み合わせている点です。
まずは、「菜の花色」
ほんの少し緑みの入った鮮やかで明るい黄色が特徴です。
そして、「牡丹色」
ピンク色もしくは鮮やかな赤紫をさす、まさしく牡丹の花の色です。
ボックスデザインも特別仕様です。
外箱は標準仕様ですが、中紙をオエステ会で用意しました。これだけでも雰囲気がガラリと変わりますね。
■アバンギャルドにとっても初の試み!
このコラボは、オエステ会商品部会長の木村光哉氏にとって、ぜひとも実現したかった企画のひとつでした。
とは言っても、筆記具のボディを特別色で仕上げるということは、そんなに簡単なことではありません。色の設計、色の再現、色の塗布、生産ロットの壁、など乗り越えるハードルは多いです。しかも「アバンギャルド ライト」にとっては、今回のように社外からの要請で特別色を出すのは初めての試みだったのです。
■どんな限定色を採用するのか?
最も大切なのは、色選びです。
製品の色を決める時って、ものすごくワクワク楽しい時間です。
でも一方では、結論の出ない底なし沼のようでもあって、とても難しいんです。
まずは、カラー展開のシリーズ(テーマ)を決めていきました。
商品部会からの提案が全会一致で採用となり、「アバンギャルド ライト」のスタイリッシュで都会的な機能美に対して、「日本の美しい伝統色」をあしらうことが決まりました。
シリーズ名は「日本の伝統色シリーズ」です!
シリーズと言えば、オエステ会はオリジナルで人気の万年筆「プレラ」は、鳥の名前を採用したシリーズ展開が毎年の恒例になってきましたね。来年の第4弾もお楽しみに!
ところで、数ある「日本の伝統色」からどの色を第1弾に採用するのか?
またしても悩みながら、商品部会とステッドラー日本の連携によって、2色×3パターンの色見本が実際の試作品とともに上がってきました。いずれも、筆記具としては珍しい伝統的な色ばかりです。私たちオエステ会メンバーの目が輝く瞬間です。
今からちょうど1年前の8月でした。
最後の決議は、会議出席メンバーだけでなく、各社の筆記具を担当するスタッフたちの意見も取り入れながら、接戦のすえ第1弾には「菜の花色」と「牡丹色」が選ばれたのです。ご覧のように、落選した色たちも日本ならではの優しくて深い味のある色たちですから、もしかすると第2弾以降に登場するかもしれません。
従来の「アバンギャルドライト」の都会的でスタイリッシュなイメージとは一味違う、落ち着いた大人の一本をお楽しみください。個人的には「ノーブルメモ ホワイト」との組み合わせがお気に入りです♪
1883年創業。長崎の本店は、全7フロアで高級万年筆から専門画材まで約5万点を幅広く取り揃えています。1階には地元のイイモノを揃えた「長崎マルシェJimo」ストアあり。オリジナル商品「長崎美景」「カラーバーインク」はオンラインストアで購入可(2019年5月現在5店舗)