万年筆用インク「Kobe INK物語 鯉川イペイエロー」

神戸と南米ブラジルの友好の架け橋となったイペの花
1908年(明治41年)4月28日、神戸港からはじめての移民を乗せた「笠戸丸」は、781名の日本人を乗せて南米へ向けて出港しました、その多くはブラジルのコーヒー農場での労働力になったと、当時の記録が残っています。
この交流がきっかけとなって、日本とブラジルの友好が深まり、ブラジル政府は日本に対してブラジル産のコーヒー豆を5年間にわたり無償で提供したことが、日本でコーヒー文化が花開くきっかけのひとつになりました。
当時、ブラジル移民に労力を注いだ水野龍が設立したカフェパウリスタがブラジル産のコーヒー豆の受け口となって、1910年(1911年説もあり)に東京銀座で第1号店がオープンしました。
これが日本で初めてのコーヒーチェーンとなり、1912年(明治41年/大正元年)トアロードにカフェパウリスタ三宮店がオープンしたことで、神戸もまた早い時期からコーヒーと馴染みのある土地になりました。

イペの花
そんな、神戸と深い関係にあるブラジルの国花「イペ」はシソ目ノウゼンカズラ科に属する花で、毎年春から初夏にかけて南米を思わせるラッパの形をした黄色い花を咲かせます。

初めての移民船が神戸港を出航してから数えて100年目の2008年に、かつて移民者が準備や手続きを行っていた収容施設、現在の「神戸市海外移住と文化の交流センター」となっている場所から、移民者が神戸港まで歩いた道沿い(鯉川筋)に約40本のイペの樹が植樹されました。
神戸港から移民船が出港していた当時を事を知らない神戸っ子にも、この道を歩く度に目にする黄色いイペの花は、いまでは当たり前の風景になっています。

鯉川イペイエロー
美しく鮮やかなイペの黄色から生まれた「鯉川イペイエロー」は「KobeINK物語」らしい、日本と南米移住に纏わる歴史と神戸の風景を結びつけた万年筆インクとして、2022年12月にナガサワ文具センター各店の店頭に並びました。

 

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