商品に寄せる熱い思い ~コクヨ100周年記念「書翰箋(しょかんせん)」~

みなさま突然ですが…
弊社は、今年創立50周年を迎えました。
そんな50周年の四国トラステックの鴨田です、こんにちは。

節目ということで社内の片づけをしていたのですが、その時このようなものを発見いたしました。

キャビネットの中に大事そうに仕舞いこんでいたそれは、
2005年に100周年を迎えられたコクヨさんから当時頂いた記念品でした。

弊社はかつて、コクヨさんの代理店として「北四国コクヨ」という屋号で営んでおりました。
記念品はそのご縁があり頂いたものでした。

画像を見てお気づきかもしれませんが、
少々古いデザインだと感じるかもしれませんね。
「書翰箋(しょかんせん)」というこの商品は大正から現在まで80年以上続くロングセラーの商品です。
難しそうな名前ですが、分かりやすく言うと「便箋」のことです。
画像の書翰箋は、昭和32年ごろに発売されたものの復刻版になります。


↑ほら、ロゴも昔のものです。

そしてこの復刻版は単なる便箋ではなく、「色紙」がついています。
色紙といっても寄せ書きで使用する白いボードではないですよ。

このような日本画の傑作を10色以上使用したオフセット印刷による仕上げの色紙が付いていました。
(当時としてはとっても贅沢!)

便箋の表紙は使い終わると捨てられてしまうため、
色紙にすれば絵として飾って楽しめる、という新しいアイディアからできたものでした。
日本で初めて色紙を付けて販売した「色紙付き書翰箋」は昭和7年より発売し、
人々の心をとらえて大ヒットしました。

また、便箋は今でこそ様々なデザインが発売され、
手紙を書くだけでなく、コレクションアイテムなど様々な用途に用いられている商品ですよね。
ですが当時は、地方から都市圏に出て働く子供たちの必需品でした。
「元気で頑張っています」と離れて暮らす両親に伝えるための大切な通信手段です。

コクヨさんの創業者・黒田善太郎氏はそんな子供たちにどんな便箋が喜んで使ってもらえるのか、
それを調べるためヒアリングを重ね、結論にたどり着きました。
「文章をたくさん書くのは苦手でも、手紙をできるだけ頻繁に送ることで父母を喜ばせたい」
というのが子供たちの思いでした。
そして従来の便箋よりもひとまわり小さく、罫線幅が広い「書翰箋」ができあがりました。
色紙を付けるアイディアはこの時に一緒に生まれたのだそうですよ。

そんな思いを脈々と受け継ぎ、
現在販売中の商品は色紙こそ付いていないものの、「書翰箋」は多くの人から愛されているのですね。

商品にはそれを作った人の商品にかける思い、
商品を求める人の要望に寄り添った思いが込められています。
私たちは文房具専門店として、オエステ会メンバーとして、
メーカーさんが商品に込めた思いを人々の手に届ける努力を惜しんではならないと、そう思うのです。

みなさんも文房具を購入されるときには、
作った人がどんなことを考えて作ったのか、想像して楽しんでみてくださいね(o^-^o)

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