ホワイトボードマーカーの秘密

やっちまった….。

machigaeta

「誰やねん!油性マーカーここに置いたん!」

なんてことありませんか?

情報化社会が進みWEB上にたくさんの知識が溢れる中で、誰も知らない文房具の豆知識のご紹介はなかなか難しいのですが、お恥かしながら弊社の本部オフィスでスタッフ5人に尋ねたら、5人とも知らなかったので、あえて今日は定番の豆知識をご紹介致します。(笑)

 

そう、会議室に置いてあるホワイトボードや行き先掲示板などに筆記する際は、みなさんホワイトボードマーカーをお使いになられますよね。ただ、たまにですが、誰かが間違えて油性マーカーを置いておいたり、それを使ったりして、ホワイトボードに残るこの筆記跡。これを消す時にアルコールや除光液、洗剤などを使わずとも、そこにあるものでさらーっと消すことが出来るのをご存知でしょうか。

 

そう、油性マーカーで書いた上からホワイトボードマーカーでなぞるだけ。これだけで油性マーカーの筆記跡はボードマーカーで書いたのと同じようにボードイレーザーで消えるのです。ここまでは多くの方がWEB上にアップされているのですが、「その原理は?」ということで、少しご紹介致します。

keshikata

ホワイトボードマーカーのインキにはアルコールや着色料(顔料)、樹脂の他に、「はくり剤」が混じり合っています。この「はくり剤」が混じっていることが、油性マーカーと異なる点ですね。ホワイトボードマーカーでホワイトボードに書いた時、インキは板面にそのまま乗るのですが、アルコール分(溶剤部分)が揮発し、着色料(顔料)を樹脂が繋ぎとめて皮膜を形成し、板面から浮き上がり、剥離剤が板面と皮膜の間を繋ぎとめる役割を果たします。そしてイレーザーで消す時に、剥離剤ごと板面から皮膜、着色料をこそぎ取り、ホワイトボードの板面に書かれた文字が消えるといった仕組みです。ですので、消されたホワイトボードの文字は固形のかたまりで、イレーザーに付着したり、粉受け、床に落ちるのですね。

日本筆記具工業会のホームページに詳しく説明がありますので、どうぞごらんください。

では、「なぜ、油性マーカーの上からなぞると消すことができるの?」ということですが、原理は前述の通り、ホワイトボードマーカーのインキの成分の中にある剥離剤や樹脂が油性マーカーの上からなぞることで、油性マーカーの成分と混じり、剥離の層をあらたに形成するのです。剥離の層が形成されれば、あとはホワイトボードマーカーのインキが消えるのと同じです。

文房具の世界には、このような面白い化学の仕組みが意外とたくさんあるのです。日々、何気なく使っている、身近にある文房具ですが、少し見方を変えると、本当にワクワクするようなお話がございます。文具専門店として、少しずつみなさまに興味深いお話をご提供できればと思います。

あと、もう一点、ホワイトボードマーカーについての豆知識を!これも日本筆記具工業会のページに記述がありますが、ホワイトボードマーカーのペンのお尻は大抵丸くなっています。ペン先を上にして立てられないのです。これは横置き保管を推奨するためです。ホワイトボードマーカーのインキの成分は顔料や剥離剤などが含まれています。インキの成分を均等に保ち、顔料が沈殿してインキの色が薄くなったり、ペン先が目詰まりを起こさないためにも、ホワイトボードマーカーは横置き保管をおすすめします。

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ちょっとした文具豆知識。これからもたくさんご紹介してまいります。
ありがとうございました。
(^-^)

(文責:デルタ・前田)

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