左利きでも大丈夫!万年筆、ガラスペンを楽しもう

こんにちは、石丸文行堂のみやざきです。
当店の高級筆記具フロアでは、時折こんな会話が聞こえてくることがあります。

「万年筆に興味あるんですけど、わたし左利きなので…」
このお客様の「…」にはきっと、「万年筆は使えない気がする」そんな思いがこもっているように感じます。

全世界の人口のうち、約10%が「左利き」だといわれています。
世界中は右利き仕様にできていて、スープを注ぐレードル、急須、ドリンクの自動販売機…ありとあらゆるものが「右利きの人が使いやすいように」できています。

筆記具も、例外ではありません。ボールペンも、修正テープも、マスキングテープも、全部全部左利きの人には「ちょっとだけ」使いづらい!!

…なぜわたしがこんなに熱く語るか。というと、実は、わたしも「左利き」なんです。

「左利き」と「筆記具」の相性は?

まだインクを使い切ってないのに、すぐ紙の繊維を噛みこんで書けなくなるボールペン。
丁寧に使っているつもりなのに、すぐに毛羽立ってしまうサインペン。

「引いて」書く右利きの人に対して、「押して」書くスタイルの多い左利きの人は、筆記具との相性が悪くなりがち。
「(左利きの)自分に合った筆記具ってないのかな~…」なんて思うこともしばしばありました。

そこで、そんな悩めるレフティー(左利き)にご紹介したいのが

「万年筆」と「ガラスペン」なんです!!!

1883年、アメリカの保険外交員、ルイス・エドソン・ウォーターマンによって、現在の万年筆の原型とされる「毛細管現象毛」を応用したペン芯が発明されました。

こちらの写真は、左から「ガラスペン」「スチール特殊ペン先の『ふでDEまんねん』」「ペン先に14金を使用した万年筆(いわゆる『金ペン』)」「ペン先に金を使用していない万年筆(いわゆる『鉄ペン』)」。
個体差はありますが、使うごとに自分の書き味へとなじんでいくのも、万年筆やガラスペンの特長です。

持ち運ぶことの多い万年筆と違い、ガラスペンはおうちの中で楽しむことが多いと思います。(近頃は、持ち運べるキャップ付きガラスペンも発売されていますよ◎)
ガラスペンは、涼しげな見た目の美しさはもちろんのこと、使うインクを替えたい時はペン先を水ですすぐだけ!という気軽さも魅力のひとつです。

一方、ひとくちに「万年筆」といっても、種類はいろいろ。値段も200円~ダイヤモンドをちりばめた芸術品のような万年筆まで!

ラメの入った透明軸や、シックな木軸、こぶりなタイプなど、見た目のデザインも楽しめますよ◎
カリカリとした書き味の極細(EF)から、ぬらぬらとした線が書ける太字(B)など、ボディによって選べる字幅もいろいろあります。

ある程度筆圧をかけて書くボールペン類と違い、万年筆には強い筆圧が必要ありません。
書き出せば、ペン先からインクがスムーズに流れ、心地よい筆記感を楽しむことができるんです。

正しいペンの持ち方を気にしすぎることなく、楽しむ気持ちがなにより大切だと、わたしは考えています。

「なぜ左利きに万年筆がオススメなの?」と思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか?
実は、筆記具の中で唯一、「自分の書き方に合わせた調整」ができるのが「万年筆」なのです。

ペンドクターによる「万年筆のペン先調整」

「引いて書く」ことが良い筆記具の定義なら、イラストはどうでしょうか?アラビア語は?
押しても引いても同じように美しく筆記線を描けることが、「いい万年筆」なのだと、以前、ペン先調整職人 長原 幸夫さんが教えてくださいました。

≫石丸文行堂でのイベントの様子はこちら


※クリックすると動画が再生されます

左利きのわたしでも、よりぴったりな書き味を追求できるのが「万年筆」。

動画のイベントの際に、2本、調整をお願いしたのですが、人生初!私仕様の万年筆!といっても大げさではないくらい、「ひっかからない」「インクがかすれない」「どの筆記角度もするする書ける」という感動の仕上がりでした。

全国各地で、定期的に無料のペンクリニック(調整イベント)を開いている、筆記具メーカーさんもあります。

「自分仕様の一本へ!」グレードアップできる調整イベントを楽しみに、ぜひ、お手持ちの万年筆の書き味を一緒に育てていきませんか?

お店に行けば、きっと同じように万年筆好きなスタッフがあなたをお待ちしています。

「実はわたしも左利きなんです!」なんて会話で盛り上がるかもしれませんよ!

 

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