万年筆ってなんで字が書けるの?~万年筆豆知識(初級編)~
鹿児島の文具のしんぷくです。
数年前より万年筆のインクがブームとなっております。当店でも多くの種類、色のインクを販売しています。
インクのブームと共に大人気となっている物がガラスペンですね。ガラスの色がきれいなうえ、インクの色替えが簡単でお手入れも楽です。
しかし、気を抜くとガラス製のため欠けたり割れ易いのが欠点です。キャップ付きのガラスペンなどもありますが、持ち運びにはあまり適さないガラスペン。それに比べて万年筆は持ち運びや普段使いにもおすすめです。今回は万年筆について簡単に説明していくことで、あらためて万年筆を使うきっかけになってくれたら幸いです。
さっそく万年筆の豆知識初級編を始めたいと思います。
豆知識①万年筆はいつごろできたの?
・1809年頃、イギリスで鉄製のペンを付けた銅の中にインキを溜め、今の万年筆に近いものが発明された。しかし、ボタ落ち(インクがぼたぼた落ちること)がして実用にはならなかった。
・1884年、アメリカのウォーターマンが毛細管作用(後述)を利用して、実用万年筆ができる。
・1911年、日本での万年筆第1号がが誕生。
豆知識②万年筆のメリットは?
・軽く紙に当てるだけで書ける。
・滑らかにすべるから疲れにくい。
・力の入れ具合でインクの量が変わるから線に味が出て、文字がきれいに見える。などなど。
豆知識③万年筆はどうして字が書けるの?
・万年筆は、毛細管作用、空気交換作用、表面張力、これらが応用されています・
毛細管作用:水は、物の表面に吸い付く性質があり、細い管や溝に入った水はその内面に沿って移動していく働き。植物などに見らせる作用。
資料は、パイロットコーポレーション様ホームページよりお借りいたしました。
空気交換作用:容器から水を出すには、空気を入れて押し出す。その水と空気の入れ替えの働き。身近なところでいえば、醤油さしと同じ原理です。醤油さしには醤油が出る穴と空気が入る穴の2つが開いていて、もし空気穴をふさいでしまうと醤油は出てきませんよね。
表面張力:水の表ができるだけ小さくなろうと縮まる働き。
・ペン先まで届いたインクは、紙に触れた瞬間にインキ溝より細い紙の繊維の隙間に吸い寄せられて筆跡となるのです。
この毛細管作用と、空気交換作用、表面張力の繰り返しによりインクが途切れることなく文字が書けるのです。
こんなすごい仕組みの万年筆ですが、上記のほかにも気温の変化や気圧の変化によりボタ落ちしないための工夫がなされていて、高度な計算により作られているのです。
長時間使わないとインクが固まり、洗浄しないと書けなかったり、インクの色替えの際にも洗浄が必要と手間のかかる一面もありますが、使い続ければ自分好みのペンになってくれます。
ぜひ、万年筆を使ってみてください。
参考資料:パイロットコーポレーションホームページ、パイロットコーポレーション『万年筆の話』
1958年創業で、雄大な桜島のある、南国の鹿児島市を中心に4店舗の文具専門店を運営しています。卸本町店では、870㎡の売り場で、文具と生活雑貨を取り揃え、見て、触って、選べる、楽しい店舗となっております。経営理念として、お客様に喜ばれる仕事を通して、お客様に満足と安心を提供し、地域社会に貢献します。