浸透印を長く愛用するために

クロスランド周南の松本です。
最近、「平成」から新元号「令和」になって、印鑑を買い求めにこられる方が多いように感じます。

新しい印鑑をお求めになられる方も多いですが、
インクが正しく補充できず使えなくなった印鑑を持ってご相談にこられる方も多いです。

今回は一般に「シャチハタ」と呼ばれているスタンプ台のいらない「浸透印」の取り扱いについてお話をしたいと思います。

おおくの日本製の浸透印は補充のインクを使うことで長く使えるように作られています。
ただし、印面にインクを蓄える構造から正しいインクの補充をおこなわないと
インク詰まりやインク漏れを起します。

それは、インクの粒子の大きさが異なるからです。
たとえ同じメーカーであっても、複数のインクを用途によって使い分けたりしています。

浸透印の代名詞「シャチハタ」にも染料系と顔料系の2種類のインクが存在します。
染料インクは、紙などに浸透しやすい性質があり、比較的乾きが早く、連続したなつ印に適し、。
顔料インクは粒子が大きいため、色の発色が良く、乾けば耐水、耐光に優れています。
現在の浸透印のほとんどは発色重視の油性顔料系が主力ですが、30年以上前の商品の多くは、染料系でした。
現在でもレジスターなど速射されるような印鑑は染料系のインクが使われています。

粒子の大きさが異なるため、顔料インクの印面に染料を補充すると、印面のインク保管部分にインクが溜まらず流れ出し、。
逆は目詰まりを起こし、うまくインクが出てこない原因となります。
同じ顔料インクであってもメーカーにより粒子の大きさも異なる事から、同じような現象が起こります。

インクがうまく補充できない理由は、そのほかにも下記の原因が考えられます。
(1)インクを使いすぎてインク補充量が不十分
(2)紙粉や粘着物などによる印面の目詰まり
(3)商品の寿命(ゴムが老化すると目詰まりを起こしインクを補充しても濃くならない場合があります。)
シャチハタの浸透印の寿命は通常の使用状況で約7~10年、なつ印回数で約10万回ぐらいといわれています。

紙粉などの除去は印面に軽くセロテープをつけて掃除をしたり軽く湿らせた綿棒等で、印面表面の異物を取り除くことが出来る場合があります

正しくインクを補充しメンテナンスを行えば長く使うことが出来る商品ですので大切にお使いください。

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